マーケティングって何?MBAからやさしく学び役だてる方法【価格設定2】
今回はマーケティング戦略におけるプライシングの考え方をご紹介いたします。
戦略なので、目標を確認し、もしくは再定義する必要もでてくる可能性もあります。
プロジェクトにとってとても大切です。
マーケティング戦略におけるプライシング
■プライスリーダーシップ
寡占(圧倒的な企業一社とほか少数社)の時にナンバーワン企業が設定した価格が業界の標準価格となる。
2番手3番手企業にとっては、ナンバーワン企業が設定した価格を基準に自社製品の価格を決めるのが一番儲かる。
■新製品の価格戦略
◆高価格の戦略
・クリームスキミング(上澄み価格戦略)(いいとこ取り)
※イノベーションが大切
高く買ってくれる層を狙い、その層が取れたら下げて次の層を狙う
※ペンティアム、HPレーザープリンターなど
※競合他社が簡単に模倣が出来ない技術力に裏付けられていることが条件
◆低価格の戦略
・ベネトレーションプライシング(浸透価格戦略)
新製品カテゴリーを浸透させ、市場を大きくする。大きな市場シェアを一気にとる
技術的には模倣されやすいカテゴリー、ブランドスイッチがされにくいカテゴリーで有効
※ipad、 kindle、 Ai Speakerなど
■製品ミックスを考慮した価格戦略
◆単品よりも製品群を考えた価格戦略
・プライスライニング 普及品~高級品までのバリエーション
ウィスキー、カメラ、ネクタイ、スーツ、Yシャツなど
※顧客は自分の望む価格帯がわかりやすい
※企業は高級感を強調したり、割安感を強調したりできる
・抱き合わせ
パック旅行、朝食付きの宿泊パック、PCとプリンターのセット、MSオフィスセット
キャプティブ(捕虜)価格→さらに進むと消耗品課金モデルへ
※ポラロイドの本体は安く、フィルムは高く
※キャノンのプリンター本体は安くインクは高く
※プロントンの自転車アクセサリー
■心理面を考慮した価格戦略
◆「端数価格」端数により印象が変わる(文化によって違う)
980円、2980円 $19.99
◆「威光価格」Price-Quality Inference(価格により品質が推測される)
・価格以外に品質を判断する材料があまりないときに用いられる
・価格を下げると品質も下がったように判断されてしまう
・高級品、購買頻度低い商品に多い
(高級宝飾品、高級時計、高級化粧品、精力剤など)
■割引による価格戦略
◆航空チケットの値引きバリエーション
・正規割引航空券{IATA PEX航空券(1ケ月前予約など)、ZONE PEX航空券(キャンペーン、コードシェア便)}
・格安航空券(団体顧客用をバラ販売)
・FIXチケット(帰りの便も予約)など
◆ホテルの価格
・オプティマイザー(最適価格を計算するシステム)により需給によって価格が大きく変わり、変動する
現金割引
・クレジット会社に払う3%の手数料の分
数量割引(ボリュームディスカウント)
・大量販売すると有利(物流コスト・販売コスト等に固定費部分が存在している)
・累積的 一回あたり購入量が一定以上
・非累積的 定められた期間の総購入量が一定以上
◆アローワンスとリベート
・チャネルに好ましい行動を起こすことに報いる(広告・陳列等)
・リベートは流通業者の利益を補填する意味合いと数量条件等の意味合いがある
※リベートとは
メーカーから卸売業者や小売業者に、通常の取引とは別に、一定期間の取引量や取引金額に応じて支払われる代金の割戻しのこと。
(支払い条件はオープンにしていない)
※アローワンスとは
アローワンスは商品を販売してもらうためにメーカーが支払う協賛金です。(共通の支払い基準でオープン)
■特売価格と季節割引
◆特売
・一時的に値引きをする「セール」
・High Low ハイ・ロー・プライシング
・ロスリーダー(集客のために特定商品のみ下げる)
多くの消費者が相場観がある有名ブランド食品等が多い
◆EDLP
・EveryDay Low Price 恒常的に価格を下げる
・EDLPを推進するウォルマート 日本では、あまりうまく行かない場合が多い
◆閉鎖商圏、数理的分析(ハイロー、ロスリーダー等をやると分析が非常に難しくなる)
■地理的価格設定
◆ドラッグストア等はエリアごとに実売価格が相当異なる
・競合店との相対価格でプライシングをする
■米国Novantas社のプライシングエンジン
・都市ごと、週ごとの最適価格を計算するエンジン
・価格弾性値(価格弾力性)を測るシステム
・その企業の顧客情報、売上情報+アンケート
・閉鎖商圏か、競合店の距離はどうなっているかなど
・例)預金金利が都市ごとに違う
■価格弾性値
需要量の変化率÷価格の変化率
-(△Q/Q)/(△P/P) ※1のところが最大利益
・0に近ければ非弾力的、需要の価格弾力性は小さい
・1より大きければ弾力的、需要の価格弾力性は大きい
■交差弾力性
A製品とB製品の間に代替関係があると交差弾力性が生まれる
まとめ
このようにプライシングはマーケティング戦略です。
たくさんの要素から考慮する必要があります。
プライシングによるポジショニングも構築できて、強みに変えることができます。
そのため、十分にご考慮ください。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。